レイヤーカットとは?定義・仕組み・高さ別の種類まで基礎から解説

レイヤーカットとは?定義・仕組み・高さ別の種類まで基礎から解説

レイヤーカットは、トップとアンダーに長さの差をつくる技術です。ただ、その差がなぜ軽さや動きを生むのか、ハイ、ミドル、ローで何が変わるのかまで説明できない人もいます。

仕組みから理解しておくと、なんとなく切れる状態を抜け出し、狙ったシルエットを再現できるようになります。

目次

レイヤーカットとは?基本の定義

レイヤーカットの定義と、切り方として何をしている技術か

レイヤーカットは、髪を引き出しながらトップを短く、アンダーを長く切り分けていくことで、意図的に長さの差をつくるカット技術です。

名前だけを覚えていても、実際に何をしている状態を指すのかが曖昧なまま現場に出てしまうと、レイヤーを入れているつもりでも狙った動きが出ない状態に陥りやすいです。

レイヤーを入れるという言葉は、単に段差をつけるという意味ではなく、髪の長さに差がついている状態そのものを指します。トップとアンダーの毛先が同じ位置に揃わなくなることで、毛束同士の重なり方が変わり、動きや軽さといった質感の違いが生まれます。

LBL講師の山崎

切り終えた後の見た目としてだけでなく、切っている最中に起きている構造の変化として捉えられるかどうかが、レイヤーを理解して切れるかどうかの差につながっていきます。

ワンレングス・グラデーションとの違いから見るレイヤーの特徴

ワンレングスは毛先の位置を揃えてまとまりを出すカットで、グラデーションも重なりを残しながら丸みをつくる技術です。

これらに対してレイヤーカットは、上と下の長さの差を大きく取ることで、毛束が重なりにくい状態をつくり出します。この差が大きいほど髪全体にくびれが生まれ、動きや軽さが出やすくなります。

LBL講師の山崎

差が小さければレイヤーとしての効果は弱くなり、見た目はグラデーションに近づいていきます。

切り方を使い分ける場面では、この差がどこに生じているのかを意識すると、狙った質感に近づけやすくなります。

レイヤーカットが軽さ・動きを生む仕組み

長さの差がつくる軽さ・動きのメカニズム

レイヤーで軽さや動きが出る理由は、毛先の位置が一箇所に集まらなくなるためです。

長さの差がつくと毛先ごとに止まる位置がずれるため、髪の束が重なり合う量が減ります。重なりが少ない部分は毛束同士が支え合わずに独立して動くようになり、歩いたり風を受けたりしたときに毛先が揺れやすいです。

逆に長さが揃っている部分は毛束同士が支え合って動きにくく、重たい印象になります。レイヤーが入っている位置と入っていない位置の差が、そのまま軽さと重さの差として現れます。

ガイドの位置とオーバーダイレクションの関係

ガイドは、レイヤーの中で最も短く仕上げる位置に設定してください。ここが起点となり、その後、どの角度でどこまで毛束を展開していくかによって、仕上がり全体の長さのバランスが大きく変わります。

ガイドの位置がずれると、狙っていたトップの高さや軽さの出方も一緒にずれてしまうので、最初にガイドをどこに設定するかがレイヤー全体の設計を左右します。

このガイドから毛束を展開していく際に重要になるのが、オーバーダイレクションです。

本来の毛流れとは違う方向へ毛束を引き出しながらカットすることで、特定の位置だけ長さを残したり重さをコントロールしたりできます。顔まわりの長さを保ちながらトップだけ軽くしたい、といった仕上がりの要望に応えるときに使われる技術です。

LBL講師の山崎

オーバーダイレクションは、特に最近のレイヤーでは重要な技術です。長さや重さを残したりするときに多用します。

レイヤーカットの高さと種類の違い

高さによる仕上がりの違い

レイヤーの高さとは、トップをどの程度短くするかを指します。

高さを上げるほどトップにボリュームが出て動きも出しやすくなりますが、その分毛先の厚みが減るため、まとまりが悪くなったり広がりやすくなります。

逆に高さを抑えると、トップのボリュームや動きは控えめになる代わりに、まとまりやツヤ感が出やすいです。

LBL講師の山崎

段数をいくつにするかという考え方は、現場ではそれほど重視されていません。

段の本数そのものより、どこにどれだけの差をつけるかが仕上がりを左右するので、段数を増やすと結果的に軽さが出やすくなる、という程度の目安として捉えておくと実際の判断に近づきます。

ハイ・ミドル・ローレイヤーそれぞれの特徴

ハイレイヤーは、トップの位置を高く設定して段差を大きく取るスタイルです。ひし形のシルエットが強く出て、トップにしっかりとしたボリュームが生まれます。毛先が軽くなるので動きも出やすいですが、その分まとまりにくくなる面もあります。

ミドルレイヤーは、ハイレイヤーとローレイヤーのちょうど中間にあたる高さです。トップのボリュームがほどよく出つつ、毛先が軽くなりすぎないので動きも扱いやすさも両立しやすく、デメリットの少ないスタイルとしてよく選ばれます。

ローレイヤーは、トップの位置を低めに設定し、まとまりを重視したスタイルです。ワンレングスに近い印象を残しながらも重たくなりすぎず、ボリュームや動きは控えめになります。髪が広がりやすい人でも扱いやすく、まとまりやすい仕上がりになります。

現場でよく使う種類(フェイスレイヤー・セイムレイヤー)

現場では、ハイ・ミドル・ローといった高さの違いのほかに、フェイスレイヤーやセイムレイヤーといった呼び方もよく使われます。

フェイスレイヤーは、顔まわりだけにレイヤーを入れてフェイスラインに動きを出す技法です。毛先の厚みを残しながら顔まわりだけをやわらかく動かすことで、輪郭をやわらかく見せやすくなります。

セイムレイヤーは、髪全体を頭皮に対してまっすぐ90度に引き出し、トップから襟足まで同じ長さに切りそろえる技法です。

切り口が頭の丸みに沿った形になるため立体感が出やすく、硬くて太い髪質にも合わせやすいスタイルです。カットを習い始めたばかりの人が最初に教わる基本のカット技術としても知られています。

レイヤーカットを理解するために大事な視点

初心者がつまずきやすいポイント

レイヤーの引き出し角度とは、平らな面ではなく、頭の丸みに沿って毛束を持ち上げる操作のことです。同じ角度で引き出しているつもりでも、頭のどの位置で引き出すかによって、実際に生まれる段差の大きさは変わってきます。

トップに近い位置と側面に近い位置とでは、同じ角度でも毛束が向かう方向が変わるため、そこにできる長さの差も変わってきます。

角度の数字だけを覚えるのではなく、今その角度で引き出している毛束が頭のどの丸みの上にあるのかまでイメージできるようになると、位置によるばらつきを防ぎやすいです。

理解している美容師と、なんとなく切れる美容師の差

レイヤーカットを理解して切れる人と、なんとなく形にしている人との差は、頭全体を同じ引き出し方でひと続きに扱ってしまっているかどうかに表れやすくなります。

トップとサイド、バックでは、求められる長さや動きの出し方が異なる場面が多く、全体を同じ角度・同じ意識で通してしまうと、部分ごとに必要な差がつけられないまま仕上がってしまいます。

もうひとつの分かれ目は、レイヤーを軽くするための手段として捉えてしまっているかどうかです。

レイヤーは軽さをつくる技術のひとつではありますが、本来は動きやシルエットを設計するための技術で、どこにどれだけの差をつけるかによって仕上がりの印象は大きく変わります。

軽くすることだけを目的にしてしまうと、狙ったシルエットとは違う仕上がりになりやすくなります。

LBL講師の山崎

すべてをひとつなぎで考えないこと。深く考えず、すべてつなげてしまったり、レイヤーはとにかく軽くしてしまうことと考えると、狙った仕上がりになりません。

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この記事を書いた人

中山貴史のアバター 中山貴史 teto代表

株式会社teto 代表取締役。美容師としての現場経験を経て、2010年に訪問理美容tetoを開設。2014年に株式会社tetoを設立し、高齢者施設・医療機関向けの訪問理美容サービスを展開。

現在は約400施設と契約し、年間55,000名以上の施術を担当。これまでに100名以上の訪問美容師を育成し、福祉美容分野の人材育成にも注力している。

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