特別養護老人ホームや介護施設などの高齢者施設に出張し、訪問理美容サービスを行いたい方は知っておかないといけない、違法になる場合とならない場合を解説します。
またサービスを始める際に必要な届出はどうしたら良いのかも紹介するので、参考にしてください。
出張の訪問理美容サービスが違法になる場合とならない場合

先ずは、監督官庁である厚生労働省の外出困難な人に対して出張し訪問理美容を行ってよい範囲を、厚生労働省が公式に具体化した通知を見てみましょう。行政の文章で分かりにくいので、分かりやすい解説を読みたい方は飛ばしてもいいです。
出張理容・出張理容に関しての厚生労働省の通知
厚生労働省:理容師法施行令第4条第1号及び美容師法施行令第4条第1号に基づく出張理容・出張美容の対象について
1 理容師法施行令第4条第1号及び美容師法施行令第4条第1号には次のような者が該当すると考えられること。
(1) 疾病の状態にある場合のほか、骨折、認知症、障害、寝たきり等の要介護状態にある等の状態にある者であって、その状態の程度や生活環境に鑑み、社会通念上、理容所又は美容所に来ることが困難であると認められるもの
(2) 自宅等において、常時、家族である乳幼児の育児又は重度の要介護状態にある高齢者等の介護を行っている者であって、その他の家族の援助や行政等による育児又は介護サービスを利用することが困難であり、仮に、自宅等に育児又は介護を受けている家族を残して理容所又は美容所に行った場合には、当該家族の安全性を確保することが困難になると認められるもの
本来は保健所の許可を得た場所で施術するのが原則ですが、この通知では、条件に当てはまる人に対して出張するのは合法としています。(理容師法・美容師法)
出張理容・出張理容が違法になる場合とならない場合
行政の文章は分かりにくいので、分かりやすく解説します。
出張理美容が合法になる対象
- 病気
- 骨折などの怪我
- 認知症
- 障害
- 寝たきり
- 要介護状態
これら、外出困難で来店不可の方を対象としてサービスを提供するのは合法で医師の診断などは不要です。ですので、高齢者施設へ出張したり、在宅サービスを提供する事は問題ありません。
- 家族である乳幼児の育児
- 家族である要介護者の介護
- 家族の援助がない
- 育児や介護サービスの利用ができない
- 他者に任せると安全確保できなくなる
健康で来店可能な方でも、これらの理由に当てはまる方は、対象としてサービスを提供するのは合法です。ここは同業の方でも知らない人もいますが、厚労省の通知で、対象に含まれることがはっきりしました。
出張理美容が違法になる対象
- 便利だから・面倒だからというだけの人
- 理容師法・美容師法に反する事
- 無届での営業
- 地域によっては店舗がないとダメな場合もある

出張・訪問理美容を始める時に必要な届出

自治体によって、出張して訪問理美容を行う際には届け出が必要な場合があるので、必ず営業地域がどうなのか確認が必要です。
開設届は必要か不要か地域によって違う
私は福岡市で創業しましたが、ここでは訪問理美容に関しては開設届は不要でした。しかし、以下の自治体の様に必要な場合もあります。
市町村のホームページでの記載例
- 熊本市:出張理容・出張美容を行おうとする場合は、管理施設の設置と届出が必要です
- 北九州市:北九州市内で出張理容・出張美容を行う理容師・美容師の方は、北九州市保健所への届出が必要となりました
- 川崎市:出張美容を行おうとするときは、あらかじめ受付窓口にお問い合わせください
これ以外に、各都道府県によって条例が違ったり、運用ルールがあったりするので、必ず営業を行う都道府県や市町村、保健所などに問い合わせましょう。また、厚生労働省が定めた「衛生管理要領」を守る事も大切です。
teto代表中山弊社でも、必要な地域では必ず届出をした上で、各地域の拠点ごとに、1年に1回新規契約施設の情報や従業員数など更新情報を届出しなおしています。
施設側に美容師免許の写しの提出
無免許の理美容師に髪を切らせることを防ぐために、雇う側として採用時に免許の確認をするのはもちろんですが、施設によっては確認の為に美容師免許のコピーの提出をお願いされる事があります。
免許がどこにあるか分からないという人も少なくないので、訪問理美容を始めたい方は、前もって準備しておきましょう。無くした場合でも、「公益財団法人理容師美容師試験研修センター」で再交付申請が可能です。
保健所の立ち入り検査
私たちが施術中や、その前後に、どういう状態で訪問理美容が行われているかという立ち入り検査が行われた事はありません。
ただし、施設の職員さんに聞くと、定期的に保健所の立ち入り検査は行われていて、訪問理美容がどの場所で行われているかなどの確認はされているそうです。




出張の訪問理美容サービスで守るべき衛生管理要領


厚生労働省「出張理容・出張美容に関する衛生管理要領について」のポイントを掲載します。行政の文章で分かりにくいので、かみ砕いて説明します。
- 1.保健所の検査に合格した店舗があることが望ましい
-
店舗があることが望ましいですが、自治体の判断により、店舗がない方の営業が認められる場合があります。その場合は事業者の登録をし、衛生ルールの確認などを必ず行ってください。
- 2.衛生管理要領
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- 不特定多数が利用する施設では専用の場所で行うのが望ましい
- 床はビニールシート等を敷き 、十分な採光・照明・換気を確保する
- 消毒済みと使用済みの器具を明確に区別して収納・保管する
- タオル等の布類は客ごとに取り替え 、蒸しタオルは消毒済みのものを使用する
- 外傷に対する救急処置に必要な薬品などを持って行く
- 補助犬を除く動物を入れない
- 作業後は作業した場所の清掃を徹底する
- 血液付着の疑いがあるカミソリ等は、他の器具と区別して丈夫な容器に保管する
- 感染症にかかった場合は作業に従事させない
- 作業する場所にお客様と介助者以外を出入りさせない
- 清潔な服やマスクを着用する
- 爪を短く切り、お客様1人ごとに手指を洗浄・消毒を行う
- 作業する場所で喫煙や食事をしない
- 肌に触れる道具は使い回さず、毎回、消毒済み・洗濯済みの清潔なものを使う
- 切った髪の毛などは1人ごとに片付けて、フタ付き容器や丈夫な袋に入れて処理する
- 感染症の疑いがある場合はマスク・手袋を使用し、施術後は手指と器具を特に厳重に消毒する
- パーマ液・カラー剤は承認された製品のみを使い、換気を十分に行う
- 複数人で出張する場合は、衛生管理の責任者を決める
- 出張施術用の衛生ルールを文書で作り、全員に周知する
美容室で営業を行う時以上に気を付けるべき事があるので、しっかり覚えておく必要があります。
厚生労働省は出張の訪問理美容サービス理容を推進している


介護保険の訪問介護サービスとしては、目にかかる髪を整える、髪の手入れ等を行う事はできますが、それ以上の事はできません。理容師や美容師による訪問理美容は介護保険は適応されない別のサービスです。
厚生労働省の「在宅の高齢者に対する理容・美容サービスの積極的な活用について」を読むと以下のようにあります。
- 在宅高齢者の生活の質の維持に理美容は有効
- 外出困難者にもサービス提供を広げたい
- 自治体と理美容組合は連携して推進してほしい
このように、高齢化社会が進む中で、在宅の高齢者が理容・美容サービスを受けることは、心身のリフレッシュや生活の質の維持・改善に役立つとして、推進し積極的な利用をすすめています。



多くの高齢者に接していますが、美容の時間を楽しみにされている方は多いです。出張して訪問理美容を行いたいと思った方は、勉強して、外出困難な方々の身だしなみと笑顔を支える力になってください。











