訪問美容でトラックの移動美容室を導入しようとしている方に、tetoでも実際にトラックの移動美容室の導入直前までいった経緯があるので、どういうメリットやデメリットがあるのか、目安の価格などを解説したいと思います。
訪問美容にトラックの移動美容室は必要か?メリットとデメリット

訪問美容は高齢者施設やお客様のご自宅へ出張することが主ですが、一部の業者ではトラックを改装し、荷台部分をサロンのような施術スペースにし、移動美容室を行っていることがあります。
店舗のような居心地でサービスを提供できると言うメリットがありますが、他にはどういうメリットやデメリットがあるのかを紹介するので、実際に導入すべきがどうかの判断の参考にしてください。
トラックの移動美容室のデメリット
初期費用と維持費が高い
車両購入費と改造費で数百万円~一千万円近くかかることもある上に、車検、保険、燃費、メンテナンス費など維持費も通常の車両よりかかります。
1人切りに行くだけでも、駐車場のほか電力や空調が必須なので、営業に行くだけで経費がかさみます。営業面で導入する意味があるかどうかを計算する必要があります。
事故や故障で営業停止リスク
訪問美容は車を使うので常に事故のリスクはありますが、移動美容室の方が運転する時間が長くなる場合があることと、トラックの運転になれていない人も多く、事故のリスクが上がります。
事故ではなくても、機器の故障などで正常な運営ができない場合は、修理できるまで営業停止状態になってしまいます。
トラックを停める駐車場が近くに全くない
tetoも導入直前までいきましたが、止めた理由の1つが駐車場がないことでした。tetoの事務所の近くにはトラックを置ける駐車場がなく、かなり距離がある場所にしか駐車できず、営業の度にそこまで行くのも一苦労となってしまいます。
トラックの運転が不安
導入しようとした頃、社員からトラックの運転は不安だという声が出ました。自動車の運転はなれていても、大きなトラックの運転はしたことがない人がほとんどだったので、社員への負担が大きいなと感じました。
誘導に時間がかかり効率が落ちる
高齢者施設などでは、職員さんが誘導してくれる場合もあれば、美容師が誘導する場合もあります。こちら側がやる場合は、誘導だけで15分や20分くらいかかり、1人分のカット時間を使ってしまう事もあり効率は落ちます。
移動美容室だと、施設外までの誘導になり、もっと時間がかかることで更に効率が落ちます。その点も踏まえた料金設定なども必要ですが、それを負担して貰えるかどうかも問題点です。
誘導やトラックに上げる時のリスク
誘導の距離が長くなるので、それだけ誘導時の転倒などのリスクが高まります。
また、トラックへ上がっていただく時に、リフトに乗りますが、そこでは更に事故のリスクがあります。実際に転倒事故なども過去に起こっているので、精神的にもプレッシャーがかかる瞬間です。
トラックの移動美容室のメリット
美容室に行った気分になりリフレッシュ効果
訪問美容では、床の上にシートを貼り、簡易的な施術場所を作りますが、移動美容室なら美容室で施術を受ける気分が味わえるので、お客様にとってはリフレッシュできる時間となります。
施術スペースが作れない施設にも対応できる
- 施術スペースがない
- 感染症対策で施設内での施術は禁止
- 施設の床が絨毯
このような理由から、施設内で施術ができない施設もあります。移動美容室なら、この問題はクリアできるので、多くの業者が営業に行っても契約できない施設を、お客様にすることができます。
競争率が低いので、こういう施設を狙うために作るのは、経営戦略的にはメリットがあると思います。
施術単価を上げられる
一般的な美容室と比べると、施術単価が安い訪問美容ですが、移動式美容室の使用料という名目で、施術単価を上げることができます。実際に私が知っている会社でも、通常の訪問美容より高い料金設定にしています。
会社やサービスの認知度アップ
イベントへの出店や地域支援活動など、サロンの外に出て活動することで、より多くの方に存在を知っていただける機会が広がります。
1~2人でトラックだけで運営するなら家賃がかからない
自治体によっては店舗が必要な場合があるので、営業地域がどうかを必ず確認してください。
その上で、移動美容室のみで営業可能で、事務所が不要な少人数の運営なら、家賃が発生しないので、長期的にみるとトラックの維持費と駐車場代の方が安くなる場合がります。
美容所登録できるので駐車できる場所ならどこでも施術できる
自動車を使用した理容所・美容所として開業する場合、法的にどういう事が必要なのかは後述しますが、自治体によっては、移動美容室を一般的なサロンと同様に運用できるので、外出できない人以外の髪も切れます。
ですので、美容室に行くのが手間な田舎に営業に行ったり、団地の下に駐車して一斉に切るなども可能だなと考えていた時期もありました。移動美容室があるからこそできる営業方法として、強みになる可能性はあります。
teto代表中山私が移動美容室を作ろうとしたときに、保健所に聞いたところ、福岡では美容所での施術になるので問題ないという事でした。
厚生労働省は移動美容室が基準をクリアすれば美容所とすることはできるとしていますが、各自治体によって扱いが違うので、必ず営業を行う地域の保健所に確かめてください。
初期投資と回収が見込める方は、作りメリットは大きいと思います。
tetoの特許技術を搭載した幻のトラック移動美容室


tetoでも過去にトラックを改造して移動美容室を作ろうとしていました。コロナ時期で多くの施設がキャンセルになったこともあって、施術者とお客様の間で空気感染しないシステムも開発し、特許も出願して移動美容室で行おうとしていました。
株式会社teto 仕切り構造及びそれを備えた移動理美容車並びにそれらを用いた理美容サービス提供方法
上記は特許出願したときのものです。最終的にトラックを作るのを止めたのと、権利化しようと思わず、感染を気にせず施術ができるように多くの人が使えればと思っていたので、出願だけで登録はせず、みなし取下げになっています。
ただし、中空負圧隔離システムの商標登録は行っているので、もし今後利用したい方がいたらご連絡ください。



トラックを作るのを止めた理由は、コロナ過が終わったこと、トラックを置ける駐車場の問題、トラック運転への社員の不安などさまざまあり、tetoにとってはデメリットの方が大きいと判断しました。
トラックの移動美容室の目安の価格


トラックと改造費がどれくらいかかるかですが、tetoで作ろうとしていた時は、中古トラック(トヨタのダイナBDH-XZU)をベースに改造費などを合わせて、300万円くらいで制作予定でした。
完全に業者任せでしたが、約13万キロ走っていてエンジンもボロボロ、修理する箇所も多かったので、その値段では良い物は作れないと学びました。
今の相場で見てみた上で、最低でも走行距離は10万キロ以内、故障や事故歴がなく、セット面を2つとシャンプー台を1つ置くとして、750万円くらいはみておいたほうがよさそうです。
自動車を使用した理容所・美容所(移動理美容所)開設ポイントまとめ


厚生労働省が公式に通知している内容があるので、こちらを分かりやすくポイントをまとめました。
①基本の位置付け
- 自動車を使った理容・美容営業は「移動理美容所」として扱われる
- 開設届出が必要
- 「所在地」は車の所在地ではなく、主たる固定施設(理容所・美容所)または管理事務所の所在地
②開設届出で求められる情報
- 移動経路
- 営業場所
- 営業時間
- 車両の保管場所
- 自動車登録番号または車両番号
上記内容に変更がある場合は、その都度報告して営業実態を把握できるようにする。届出を行った都道府県等の範囲を超えて、無届けで営業すると指導対象となります。
③構造設備の基準(車両側の要件)
作業場
- 作業及び衛生の保持に支障のない面積を有すること
- 営業場所、周囲、構造設備の状況等を考慮し、公衆衛生上支障がない場合は基準を緩和できる
- 作業場と運転席は隔壁等により区分されていること
- 待合室を設ける場合は、隔壁等により作業場と区分すること
換気
- 換気扇を設けるなど、十分な換気が行えること
- 営業中にエンジンからの排気ガスが作業場等に流入しない構造とすること
給排水
- 営業場所で給水を適切にできる場合を除き、施術、消毒、手洗い等に必要な容量の給排水設備を有すること
車両の固定
- 固定装置を具備すること
待合所及び便所
- 営業の都度、適切な場所を確保できる場合を除き、待合所及び便所を確保すること
④衛生管理の基準
給排水
- 給水に使用する水は毎日取り替えること
- 排水処理は適切な場所において行うこと
施術等に使用する水質
- 水道水と同等であること
車両の固定と作業方法
- 作業中は作業場が水平となるよう、車両の水平を確保すること
- 営業中は車両を固定すること
- 走行中に施術しないこと
その他
- 施術に必要な電力を確保すること
- 廃棄物の処理を適切に行うこと
- 営業場所の選定に当たっては、各種法令を遵守するとともに、利用者の安全を十分確保すること
⑤営業者に求められる措置(利用者保護・苦情対応)
- 苦情の申し出先として、店舗の名称、電話番号、届出所在地等を利用者に提示する
- 都道府県知事等の検査確認済証等を、利用者が確認できるよう掲示する
- 利用者からの苦情等に適切に対応できる体制を整える


















